アルカディアの灯火【全年齢向け】

アルカディアの灯火【全年齢向け】


○ブランド名: #Nostalgic Chord

○品番:iakbs_0001

○配信開始日: 2015/12/25

○ゲームジャンル: #ADV

○ボイス: あり

○シリーズ: #

○ジャンル: #アドベンチャー(全年齢向け) #DL版独占販売


本作は、「楽園」を共通のテーマとした2作品を収録しております。

『楽園の守護者』

そこは、20年も前に放棄された、廃墟の町。
イース=カリィオード中佐率いる第12ASB大隊は、
ボロボロで人気のないダウンタウンの中を進軍していた。
彼らの敵は、たった1人。
ただそれだけの相手を倒すため、イースは大勢の部下を引き連れて進む。
『センサーにSB粒子反応!13時方向、距離800メートル!』
「おいおい、いきなりバニッシュブラストかよぉ!?」
「勘弁してくれぇ、ダンナァ………」
「総員っ、対ショック姿勢っ!!」
閃光と同時に、町を激震が襲う。
「勘弁してくれっ、俺はまだ死にたかねえぞぉっ!!」
周囲の建物が吹き飛ぶ中、兵達はただ祈りながら身を伏せていた。
やがて、再び静寂を取り戻した闇の中で、彼らは口々に安堵の声を漏らした。
「は、はずれたっ!?」
「けどよ、無事には済んだが………生きた心地がしねえ………」
「まったくだ………まるで容赦なしだぜ………」
そこに、戦術支援コンピュータを通じて、オペレーターから通信が届く。
『中佐、目標を発見しました』
「よくやった」
画面に送られてきた男の姿を確かめる。
その大柄な体は装甲服に包まれ、胸部装甲には15個の勲章が並ぶ。
幾多の戦場において多くの武勲をあげた、歴戦の勇者である証だ。
男は、小さなビルの屋上に立ち、静かに町を見下ろしていた。
「総員、戦闘態勢。ここからは一瞬も気を抜くな。敵は地球最強の男なんだからな」

『マリーベルは死んだとパパに伝えて』

「バカな……嘘だろ」
それは突然の出来事だった。
ある日、着の身着のまま、見知らぬ異世界に放りこまれる。
一生のうちにたった一度でも、そんな体験をした人間はおそらくごく僅かだろう。
そして、結果訪れた世界では、人型をした怪物(モンスター)が我が物顔で山野を跳梁し、
中世のような城壁都市では魔法使いが手もふれずに病を癒す、となれば、心身ともに衝撃を感じるのはあたりまえだ。
正直、それは中学生が作文に描く安易な物語的世界のようで、語る自分でさえ気恥ずかしさを覚える。
僕、草薙悠也はそれまで、れっきとした理系の学生であるだけでなく、自他共に認める重度のサイエンスフリークだった。
だからもし他人からそんな話を聞かされたら、大笑いしつつ内心でそいつを愚かな妄想家と軽蔑したに違いない。
けれどそんな異常現象がいざわが身に降りかかってみると、これは一種異様なインパクトがある。
そして、僕はそういった、常識から外れた出来事には激しく動揺するタイプだった。
なまじ科学を信奉しているぶん、とにかく理屈ぬきにダメなのだ。弱いのだ。

だから、
こうしていまになってみれば理解できる。翠や子供たちの存在に、あの頃の僕は間違いなく救われていたのだと。
予告もなしに、この世界へと落ちてきたその日から、僕は翠と二人、
幼い子供たちをかかえ、ただひたすらに必死だった。

「あり得ない……けど、認めるしかない、か」
わたし、片瀬翠は本来ならば、この春ようやく教養課程を終えたばかりの、平凡な一女子大生にすぎない筈だった。
あたりまえのように、ちょっとだけ格好いい先輩に恋をして……そして振られて。
しかし、運命のいたずらの結果、わたしはなんの因果か、他の五人と一緒に、
この異世界に――この世界の表現でいうならば、落下(フォール)して――きてしまった。

それから、短い期間に幾つかの出来事があって、話し合いをくり返して。
わたしと悠也は、共同で、子供たちの面倒をみようと決めた。
哀れで惨めな失恋をしたばかりのわたしにとって、その後すぐにこの子たちと異世界に落とされたのが、
幸運だったのか不運だったのかはまだよくわからない。
けれど、この突拍子もない現実に、やわな失恋気分などどこかへ吹き飛んでしまった事だけは確かだ。
怪物に殺されかけ、空腹と寒さで震えている最中に、色恋沙汰など頭の片隅にも浮かばなかった。
自分でも浅ましいと思うけれど、そういう時に、死にたくないとか、お腹すいたなどとしか浮かばない、典型的な俗物なのだわたしは。
他に考えられることといえば数学……自分の好きな理系の知識による、我が身に起こった現象についての空想じみた推測くらいだ。
だからこの子たちを抱えて、私たちがこれから先、この世界でうまくやっていけるかどうかは無論、わからない。
さらに、運命がこれ以上わたしをもてあそぼうというのなら、
わたしは、ええいいわよ、煮るなり焼くなりもうどうとでも好きにしなさいよ、とでも言い放ちたい気分だった。

そんなふうに、ぼくとわたしと、子供たちは出会い……
……異世界での、『生活』がはじまった。


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